■書籍の内容

インターネットを先駆けた構想が80年代後半の日本で生まれていた！　本書は、その事実を裏付け、その構想が育まれた環境や練り上げられたプロセスを詳細に振り返ることにより、日本社会、日本企業が抱える弱点や注目すべき強みを浮き彫りにしている。

■著者について

【著者】寺町　進（てらまち・すすむ） 1954年7月、広島県呉市生まれ。日本電信電話公社に電信外務職として採用され、76年から広島統制電話中継所に勤務するなかで、85年4月にＮＴＴ民営化を経験。民営化による組織改変のなか、86年4月から87年3月までＮＴＴ中国総支社事業開発部に所属、当時のワープロしかない環境のなかで後のインターネットに匹敵する新たなネットワークシステムを構想した。その後、システム開発などに携わりながら後輩たちと交流、時代に対応した組織変革と社員の自己実現・能力開発環境醸成の必要性を痛感、本書の草稿となる「寺町流発想術」の練り上げに傾注した。2005年（平成17）3月ＮＴＴ西日本を退職、現在はＮＴＴ西日本子会社に在籍中。 【監修】小鷲 順造（こわし・じゅんぞう） 1954年生まれ。ジャーナリスト、作家。『情報・通信　近未来予想図』（産学社）『義足のキリンたいようの一生―彼を支えた人々の日記』（講談社）『サラリーマン金太郎に学ぶ　サラリーマンサバイバル』（ホーム社／集英社）『就職　内定への戦略』（池田書店）、『敬語で恥をかかない本』（ＫＫロングセラーズ）など著書・記事多数。ほかに『イラク高校生からのメッセージ』（赤尾邦和著、講談社文庫）『角川新版日本史辞典』（角川書店）二期出版「産業と会社研究シリーズ」など出版プロデュース、企画構成、ブックデザイン等の多彩な活動実績をもつ。マスコミ文化塾、ワーキングスタイル研究会主宰。 ■目　次 監修にあたって 第１章　「始まり」は「だれかの頭脳」から バラバラに存在していたものが合体するとき 90年代の日本の通信技術は、他の国より進んでいた 19年前の考案システムが、いまやあたり前に 始まりは、「だれかの頭脳」から 優れた企画や構想が出てこない理由 「情報収集」と「発想力」の関係 製品開発は、経験より個性が大事 問われるのは「ネタの質」 ポイントをおさえたメモづくりに習熟する 無能な管理職は「ほうれんそう」が大好物 乱世に強い人間をめざせ 頭脳を駆使するリアルな環境を手作りで 第２章　発想する仕事に向いている人、向いていない人 自分自身に健全なプレッシャーを与え続ける 自分に合った発想手法を考える みんなの後を追わない 日々の積み重ねを大事にする 発想は楽しく浮かべる 会社組織と個性の関係 第３章　発想力駆使のためのチェックポイント 発想力の基盤は、多面的なものの考え方 文字ではなく絵を並べて発想する シングルタスクではなく、マルチタスクで頭を動かす 発想する仕事に向いている人とは 発想する仕事に向いていない人50 　▼質問　水槽に水を入れるとき、どう歩くのが一番いいか？ 第４章　「発想の仕事」に求められることとは？ 民営化当時の私の職場 みんなが考えていたこと いまある物、近く世に出る物を使って何ができるか 意識の強化、環境づくり、着眼点の強化 だれのため、なんのための技術なのか 売る側の立場からの脱却 第５章　「発想力」とは、世の中の「求め」を知る力 いま世の中が何を求めているかを考える 会社で発想するテーマを与えられたときに私が最初に考えること 資料整理 私が思っていたデジタルＰＢＸ、ＬＡＮのイメージ ポイントをつかむ 高速デジタルとは １９８０年代中盤に話題だったシステム 自動車電話の料金 自動車電話と携帯電話 コードレスホン 第６章　新システムを考案し、構築する 「絵」を描く 人と違う所から発想する 発想のオリジナリティ 想像力で可能性を探求 未知の領域へ 第７章　発想力駆使は、「潮干狩り」の要領 いまと同じ機能を、別の組み合わせで実現 新たな組み合わせで、新システムを生み出す 世の中が求めているものと、いま自分が求めているもの プランの細部・展開を、公表までにしぼり出す 技術はアイデアを実現するための道具 システムの検証は広範に、細部にわたって ユビキタス時代にむけて 監修を終えて

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